【ATTENTION】トヨタ嫌い一直線の記事です。トヨタファンの方は読むのをお控えください。やっちまったな、レクサス。
相変わらずのトヨタ節。
たいしたこと無くても、CMコピーでなんとでもしてしまうマーケティングの騙し技。
こんなことを言うと、トヨタ勤めの友人に嫌な顔されるのは必至なわけですが。
壊れない以外はホントアレなのがトヨタなわけで。
以前からトヨタはアメリカでプレミアムブランド『レクサス』を展開、一定の評価を得てきました。
・・・『LS』だけは。
日本ではセルシオという名前で売られているLS。
もともと国外専用モデルで、日本人にはプレミアムセダンのよさなんてわかるまい、と(ほんとにそこまで思ってたかは知りませんが)国内では販売しない予定であったとか。
バブル経済下にあったころ、日本も好況だから、あるいは売れるかも、と土壇場で発売が決まったというのは結構有名な話。
アメリカ本国でも、LS以外はさほど売れていないのが現状だったりするわけですが。
この度の国内展開に当たって、なぜかそのLSは出て来ません。
・・・4番バッター無しの野球チーム、ストライカー無しのサッカーチーム、アタッカー無しのバレーボール(以下略
で、その代わりに
『レクサスの華』(レクサスHPより)と紹介されているのがソアラ・・・ではなくて『SC』。電動ハードトップオープンを備えた、2+2のプレミアムオープン。
今回のSCは従来のソアラからのマイナーチェンジということで、価格も20万円ほど上がります。
マイナーチェンジした割には、屋根の開閉時間も据え置き。
アルミルーフを採用しながら、先発のメルセデスベンツSLKの18秒、プジョー307ccの20秒を越える状態のまま。
公式HPには『30秒とかかりません』と誇らしげですが、遅いっての。
2年前に発売された
子会社ダイハツのコペンが16秒であることを考えると、余計『プレミアム』の言葉が空疎に聞こえる。
トヨタの考えるプレミアムって、持てる技術を徹底的に投入しての開発ではないのでしょうな。
中途半端に見えるところだけ贅を尽くすようなものらしい。
セダンだのならまだしも、スポーツにそれじゃいかんでしょ。セダンだって、ちょっとでも手抜きが見えたら購買意欲をそがれる層が『プレミアム』を求める層でしょうに。
公式ページに踊るコピーもプレミアムを前面に押し出したこってりした印象。
これに騙されて買う人も多いだろうなあ。
でも、競合する車種は2000年も初めからすでに出ているわけで。
それらを見た上ではとてもコピーをそのまま受け入れることは出来ません。
◇『レクサスの華』『個性の表現』
・・・先発の
メルセデスSLKを見てこい。
子どもっぽい、えげつない、などといわれて敬遠する意見もありますが。巨大なスリーポインテッドスター、参戦するフォーミュラのイメージでフロントウィングを模したフロントマスク。
これと並べて『個性を発揮』などと言えるかどうか。『華』などと言えるかどうか。
・・・半額以下の
プジョー206ccのリアセクションを見て来い。
軽量化のためにペラペラの鉄板を採用する代わり、リブ加工を施して強度を稼ぎ、キャラクターラインを形成。
実用に使えるトランクルーフレールを配して、ルーフ収納のために長くせざるをえず間延びしがちなトランクセクションを個性的に演出。
細かなところまで作りこまれ、購入後3年を過ごした私が見ても魅力が色褪せません。
◇『美しいクーペスタイル』
・・・
ルノー メガーヌグラスルーフカブリオレを見てこい。
最近でこそ、ニッサンやホンダからグラスルーフのミニバンが出てるけれど。それを電動開閉ルーフに採用している。
SCはクーペスタイルにすると、後席にはほとんど人が乗れないあたり、半額以下のプジョー206ccと同レベル。
さらに、キャビンにかぶさるルーフは小さくてアンバランス。
上記メガーヌや、
プジョー307ccの、同じ4人乗車で破綻の無いクローズ時のスタイルと比較して、果たして『美しい』などといえるかどうか。
◇『オープンエアの爽快さ』『ドライビングプレジャー』
ルーフをあければ、車体を横から見ると運転者の頭しか露出しない。ドアに肘をついて流すような、くつろいだドライブもできやしない。
オープンエアの爽快さなんて感じられないよ。これでは。
開発者はオープンカーを所有したこと無いだろ。でなければ、こんなものがでてくるわけがない。
公式HPには『風と語らう静粛性』などと謳ってはいるけれど。確かにこれだけプロテクションされていれば静粛だろうさ。
でも、これでは語らうべき風は入ってこないだろ。
そもそも、静粛性を求める時点で、それはオープンである必要はない。
ドライビングプレジャーも何も、このサイズで1.7トン・・・。
バブル期のベンツ、560SELあたりのVIP御用達の黒塗り送迎セダンがそのくらいだよな。
それを5000ccのV8エンジンなんていうミニバンかトラックみたいなエンジンで力任せに引っぱると。
走りとは違う意味でドライビングプレジャーを感じられそう。
ミツビシ以来の直線番長...?
副次的な話ですが、この大型エンジン。
燃費も凄い。
ハイオク指定でカタログ値(10/15モード) 8.7キロ。実際にはこんなに走らないだろう事を考えると、アメリカ製SUV並みの狂燃費。
『華』と自称させる位なら、ハリアーだのクルーガーだのより、イメージリーダーのコイツをハイブリッド化するほうが先だろう。
ちなみに、この燃料タンクと屋根の収納のため、トランクはろくに物が入りません。
屋根を開けたら、大き目のボストンバックひとつすら入りません。週末に屋根をあけて優雅に泊りがけの高速クルーズ、というような、こういう車を欲しがるだろう層の使い方にはマッチしないところも素晴らしい。
スペアタイアを積まない、パンク防止タイヤ(ランフラットタイヤ)ですらそうですから、オプションのランフラットタイヤを選ばずスペアタイヤを積むと、さらにトランクは狭くなります。
・・・使い勝手も恐ろしく悪い代物ですな。
価格は680万円だそうです。
このクラスの車で一般的な高級セダンや外国車を買わず、わざわざ変わった車を欲しがる層が競合車種を比較しない訳が無い。
公式HPのコピー『選ばれた人のみの』というは、トヨタのイメージ偏重CMに騙される程度におめでたい人のみという意味に見えますよ。ほんと。
ポルシェボクスター、アウディTTロードスターなどなど、ここにはでてないプレミアムスポーツは数々あれど。
これから新ブランドで、最後発で追い上げなければいけない『SC』でこれではねえ。
いいから、車に詳しく無い層向けの実用車だけ作ってろと言いたくなる。
もちろん数は少ないながら例外もあって、MR−Sなんかは外装のリファインが簡単なのだし、作り続ければよかったと思うのだけど。
(外装がビス留めで簡単に外せるので、サードパーティからもボディセットがいくつか発売された。まるで別の車に変身させる事もできて面白い車だった。
ぶっちゃけ、セイコーの逆輸入クロノグラフやSWATCHみたいに、異なる外装セットを定期的に販売するような仕掛けでかなり遊べたんではなかろうか。
そもそもそういう商品コンセプトだったはすだが・・・。惜しい。)
なお。
レクサスブランドのロアグレードは日本名アルテッツァの『IS』。390万円から525万円だそうです。
・・・あれ?アルテッツァ、206万円から260万円だったはずだけど・・・。
トヨタってほんとに商売だけは上手だな。
その頭を車作りに使って欲しいところです。